長く深い愛に 長く深い感謝を

こんな時代になり この記事を出すのをためらった
感じ過ぎなのか弱いんか愚かなほど単純なんか知らんが
世界情勢にそれはもう精神的にボコボコにされて本当に参ってしまった
今もダメージを受けている
みんなもそうだろう
みんなそうでもないんだろうか
いち個人がどうなろうがどう思おうが悩もうがボコボコになろうが何しようが何ら世界は変わりはしないが
辛いことには変わりはなくて
世界はおそろしい打撃を与えてくるな
おそろしい打撃も与えれば
震えるほどの美しい感動を与えてくれるのも世界であり
今はそちらにあえて目を向けてこの記事を出してみようかと思う
落ちてられないし
しかし
なんてこった
こんな時代になったからこそこの記事を出そうかな ということで
以下北京オリンピック直後のテキスト 修正なしで載っけます
|長く深い愛に 長く深い感謝を

北京オリンピックのあと 感動で疲れた
感じすぎると人は疲れるんだな
なかなかこの感動は静まってくれず おさまるまで何日かかかった
単純だから羽生選手のエネルギーにあてられてバテバテである
腑抜けであった
しかし なんて気持ちがいいんだろう
なんて清らかで心地がいいことだろう
そうか
— エスむら (@esumurablog) February 20, 2022
この人が春を呼んでいたのか#春よ来い#羽生結弦 pic.twitter.com/BPiMRtiJGK
春は4月
私はプリンスがいなくなったあの日から春が来るのが憂鬱になってしまっていた
春が来るのが怖い
そんな私が「春が来る」ことを受け入れるということ
|春よ来い

オリンピックでは心の中にいろんな気持ちが生まれたしいろんな言葉も生まれたが どれも場にふさわしくなさそうで どれも寸足らずで 呟くのをためらった
Twitterの文字制限のなかでは無理なのでたらふく書けるこちらに発散いたします
すぐになんかまとまらなかった まとまらんよ んなもん
また私語りになるが
まあ ここはそんな場だしいいだろ 許して
プリンスのいなくなった2016年のあの時から私は羽生選手という人をしっかりと見つけることができたし しっかりと知ることができた
あれからなんと6年か
プリンスがあちらへ行ったあの時から平行して進む羽生選手の時間軸が 当たり前だけど6年前進する
なんという6年だっただろう
あなたはなんという6年を私に見せてくれたのだろう
6年ってアスリート年齢でいったらなかなか長い
6年前に出会った羽生選手は21歳だったのか!改めて驚いた!
21歳以前から戦い続けて結果を出す世界に生きてきて 27歳となった今彼はもう全然違う地にいる
その6年の間にプリンスを失った悲しみで呆然とするばかりではない日々を羽生選手は私たちにくれたのだ
頼まれもしないのにどうやって知ったのかどうやって調べたのか阿倍野や京都の晴明神社にも行ったし
羽生結弦展があれば行った 羽生選手は私をぐいぐい動かしてくれた
試合の度 演技の度 テレビの前に正座し見守ったなあ
そして彼の記事を沢山書いたなあ
本来なら私たちプリンスファンはあの頃色んなことを感じたくない時だったはずだ 心を動かしたくなかった
もう感じ入ったり心動かされたりしたくなかったはずだし動きようもなかった
ボロボロだったから
穴が開いた虚無の心で感じやすいものに触れたくなかった
麻痺してただろうし麻痺させようとしていただろう
感じないように感じないように 心動かされないように
もうこれ以上絶望なんてしたくないあの時期 立ち直れるはずもないほどにあまりにも傷も空洞も生々しい時期に
羽生選手は清らかな風をまとって目の前に現れた
そしてそれ以降私の目の前に居続ける羽生選手という存在は性別を越えていたのだ
人種も年齢も越え
属性もジャンルも関係なく越えていたし
がっつり勝ち負けの世界にいながら私にとって羽生選手は勝ち負けとは無縁の人であった
フィギュアスケート界隈に詳しくない人(私) フィギュアスケート自体詳しく分からない人(私)が見ても
羽生選手がやってきたことは凄いということは分かる
なのに北京オリンピックSPの後 俗物の私はうっかり呆然と放心してしまったが
しかしだ おい待てよ 彼は違う次元を見てる人 次の次元にいく人だと 見終わってすぐのドキドキした心臓でギリギリのキワにはっと思ったのだ 思い出したのだ
思い出すの遅いんだよ私は
ドキドキする頭と心のまま寝床につき私は不思議な夢をみた
覚えてないけど不思議な夢だった(覚えとけよ)
そして数日の沈黙をおいて
羽生選手とは何者で 何のためにフィギュアスケートをして 何のためにこの世に生まれ遣わされてきた人だろうかと考えた
というてそんなに明確に命題を見つけ深く考察したわけではないが
今一度 漠然と 羽生選手ってなんなんやろう? みたいに思っていたんだ
世の中は感動で溢れている
感動しやすい体質ならそりゃもういとも簡単に感動できるようになっていて
感動センサーがガバガバだとチープなものから大量生産的なものまでいつだって摂取できる この世はお気軽に感動できる
しかし
高品質な感動
稀少な感動
高次元な感動
大きな大きな感動
分け隔てなく真の意味で平等な感動
誰でも簡単に与えられない類いの感動
時間をかけて思考を重ねておよそ一般的な努力などからはかけはなれた努力でなし得た凄まじい感動を羽生選手は与えてくれた
彼がくれたのはそんじょそこらの安い感動じゃない
一年後二年後三年後程度で出会えて消化できるような感動じゃないんだ
きっと もう 私たちは二度と同じような あのような感動を与えてくれる人には出会えない
一生に一度 人生一度 その単位でも追いつかない感動を与えてくれる人に出会え本物の感動を目の当たりに体験したんだ
結果というものは出る
けどそこへ至る道程の長さはすぐどうこうできるもんではない
長い道程ありきの結果が本当の結果だ
結果は結果でしかないが途中の道程の量と質の違いは様々
道程はお金を積めば得られるものではない
名のある人に口をきいてもらえれば得られるものではない
彼は何年も何年もかけてその身を粉にしてその道程を見せてくれた
しかも彼の紡いだ物語はきっと「あとからくる」
あとから「効いて」くると思う
数年後 数十年後に 何だったんだあれは?! 彼はなんて人だったんだ!てなるヤツだ
もちろん素晴らしく誇らしく見事な結果を生む人ではあるが
なにより素晴らしいのは結果へと辿る豊かで険しく美しい物語を紡いで見せてくれたことにある
この物語は羽生選手しか作れないし歩めないものだった
彼の以前にこの物語を作った人はいないし 恐らくこんな物語を彼のあとに作れる人もいないんだろう
ひどく孤独な道だっただろうな
こういう純度の高い真の孤独者であるところもプリンスと重なる
世界を敵にはしていないし彼を愛する人々はあふれているし
彼も世界を愛しただろう
が
真に孤独な者はたった一人で道なき道を進む
挑戦する人
実行する人
誇り高き人
信念の人
明確な人
美学の人
そして与えて与えて与えて 最後には彼らのやってきたいろんなことは「癒し」に形を変える
彼らは
愛の人だ
羽生選手は愛の人なんだし世界で一番謝ったらアカン人やん
あなたは世界中からのありがとうを受け取る権利と義務がある
私のような小さなたった一人の人に 世界中の多くの人々にどれだけ愛を与えたというのだろう
愛を与えまくった人は 世界から愛を受けまくるのだよ
今生で出会えて幸運だと思える人 とても意味のある人に出会えたなあ
プリンスに
そして
羽生結弦選手に
恐ろしいほどの熱量を放つこの二人の縁が繋がっているということが また嬉しい
よく聞くようなありふれた感謝の言葉に聞こえるかもしれんが本当に思うねん
羽生選手を知ることができて本当によかった
そしてなにより 羽生選手を知ってから私たちに気づいて温かく声をかけ手を広げてくださったみなさんがいてくれたことが本当に大きかった
アホみたいにベタなことかもしれないし
私は幻を見てるだけなのかもしれないけれど
幻でもいいや
それでもみなさんに大きな愛と感謝を感じています
彼らのような人たちが与えてくれるものが我々の人生を永遠のものにしてくれる
わかる?
彼らの与えてくれた瞬間は永遠に美しく豊かに輝く
私たちの人生を鮮やかに彩ってくれるんだよ
それは自分の人生を随分と生き進んだときやっと見えてくる風景なんだと思うが
なんとも素晴らしい光景であることでしょう
|春が来てもいい
私の中の有象無象 世間の有象無象はあるだろう
その時々で惑わされもするし激しい気持ちにもなるし揺れもする
できた人間じゃないもんでね
でも ちょっと立ち止まって 黙ってしばらくその場にいてみる
本当の姿が見えてくるのはそこからだから
本当の言葉が出てくるのはそこからだ
しっかり見つめて見極めて見続けていたら 何が本当で何が嘘か見えてくるはず
春が来ることはまだ怖いし憂鬱にもなる
春は辛い
それでも
羽生選手が優しく春よ来いと舞うならば 万感の思いを抱いてあの日を迎えようかと思える
あの日からプリンスのことで沢山泣いた
羽生選手をめぐり沢山泣かせてもらった
幾度も流してよく知ってることなのに
ああ涙って熱いんだなあ
と思う
琵琶の音が鳴って 羽生選手が天を仰ぐとき
あの時 おるかおらんかよく分からん神様から 天界の人々から
まばゆい虹色のメダルがあなたの首にかけられた
あなたにはもう今まで知っている形のものではなく
誰も知らない見たこともない形容できないようなメダルがふさわしいのかも知れない
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